
〜漂流と定着−文化的な文脈をたどるローカリズム〜
漁夫のとった魚を、その妻が売り歩いて、朝夕の炊ぎの糧の穀物とかえことをする、というのは、まことに自然なことで、久しい年代の間、津々浦々の民家の煙は、こうした夫婦の漁とあきないを兼ねた働きによってたちのぼっていたのである。(中略)
村のなかにたてこもって生活した昔の村人にとっては、互いに異郷人である農民との接触交渉ということはたやすいことではなかったと思うが、もしもこの国にあまねく行われている節の日の魚食のならわしが、両者の交渉に関係があるとすれば、漁人の妻の商いの力はまことに大きいものであった。まなぐいの習俗の維持には、漁人の力がなくてはならぬものである。

テキスト/画像 瀬川清子「販女(ひさぎめ)」未来社より抜粋
7月から11月にかけて、路地と人は神保町での活動と平行し、各地を移動し、地域の人々と協力しながら、それぞれの日常から立ち上がる文化事業の実践を試みます。
まずは7月沖縄からはじまり、四国、関東、東北。
アートスペースにこだわらず、公民館や、古本屋さん、そして個人のお宅やスタジオ、商店街の空き店舗を利用して 喫茶室/スナック「路地と人」を開店したり
remo* Tokyoの協力のもと映像ワークショップ「remoscope」そして一つのテーブルを囲み会話からローカリズムを共有していく試み「our table」や
まち歩きと読書会「読書と散歩」、コミュニティラジオなど、様々なコンテンツをそれぞれの各地で展開していきます。
詳しいスケジュールや実施する内容は順次こちらでおしらせしてゆきます。
みなさまどこかのまちであいましょう。
行商スケジュール(予定)
7月中旬 沖縄(那覇市)
9月中旬 徳島(神山町)
10月上旬 茨城(水戸市)
10月以降 青森(青森市街地)
行商プロジェクト 「販女(ひさぎめ)の家」はAAF2011参加プログラムです。

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